中島中BLOG

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夏休みは普段できないことを

掲載日:2022.07.13
全校

 九州ルーテル学院大学客員教授の大畑誠也氏がこんな話をされています。

 

 これは、天草東高時代から継続して行ったことですが、このことを教えるのに一番ふさわしい機会として、私は卒業式の日を選びました。式の後、三年生と保護者を全員視聴覚室に集めて、私が最後の授業をするんです。

 そのためにはまず形から整えなくちゃいかんということで、後ろにたっている保護者を生徒の席に座らせ、生徒をその横に正座させる。そして全員に目を瞑らせてからこう話を切り出します。

 

「いままで、お父さん、お母さんにいろいろなことをしてもらったり、心配をかけたりしただろう。それを思い出してみろ。交通事故に遭って入院した者もいれば、親子喧嘩をしたり、こんな飯は食えんとお母さんの弁当に文句を言った者もおる...」そういう話をしているうちに涙を流す者が出てきます。

「お前たちを高校へ行かせるために、ご両親は一所懸命働いて、その金ばたくさん使いなさったぞ。そういうことを考えたことがあったか。学校の先生にお世話になりましたと言う前に、まず親に感謝しろ。」

 そして、「心の底から親に迷惑をかけた、苦労をかけたと思う者は、いま、お父さんお母さんが隣におられるから、その手ば握ってみろ。」と言うわけです。

  

 すると一人、二人と繋いでいって、最後には全員が手を繋ぐ。私はそれを確認した上で、こう声を張り上げます。

「その手がねえ! 18年間おまえたちを育ててきた手だ。わかるか。......親の手をね、これまで握ったことがあったか? お前たちが生まれた頃は、柔らかい手をしておられた。いま、ゴツゴツとした手をしておられるのは、おまえたちを育てるために大変な苦労をしてこられたからたい。それを忘れるな。」

 その上でさらに「18年間を振り返って、親に本当にすまんかった。こころから感謝すると思う者は、今一度強く握れ。」と言うと、あちこちから嗚咽が聞こえてくる。

 私は、「よし、目をあけろ。分かったや? 私が教えたかったのはここたい。親に感謝、親を大切にする授業、おわり。」と言って部屋を出ていく。

 振り返ると親と子が抱き合って涙を流しているんです。

 

 中島中学校生徒諸君!

 夏休みは、普段できないことをする絶好の機会です。

 長い夏休みの期間のうちに、一度、親の手を握ってみてください。